ゴーレムといえば、ファンタジー世界ではお馴染みのキャラクターですよね。
石や、ドロ、岩などで作られた人形の動くロボットのような存在なのがゴーレムですが、
そもそもゴーレムとは一体何なのでしょうか?
今回はゴーレムについてまとめてみました。
目次
ゴーレムとは?
「ゴーレム」とはヘブライ語で「胎児」の意味です。
土塊から人間の姿を造り出した、魂の無い土塊の人形の事を、一般的にゴーレムと言います。
ゴーレムはしゃべることは出来ませんが、人間の話や命じたことは理解するので、使役するとよく働いてくれます。
運用上の厳格な制約が数多くあり、(家から出してはいけない・昼しか動かしてはいけない)など、それらの制約を守らないと狂暴化します。
ゴーレムの造り方
ゴーレムの造り方は、まず神聖な儀式を行います。(断食や祈祷など)
その後、泥か膠をこねて人形を造ります。
そして神や命を意味する呪文を唱え、土塊人形の額か唇の下、胸に【emeth】(真理)と書いた羊皮紙を貼り付けると、像は命を宿して起き上がるとされています。
像は日に日に巨大化し、いずれ壊す必要が出てきます。
ゴーレム弱点
ゴーレムの倒し方、壊し方は簡単で、【emeth】であれば最初の文字である【e】を消してあげれば【meth】となり、【meth】=【死】を表す言葉となって、ゴーレムは唯の土塊となります。
ただし、羊皮紙を剥がすだけなら、ゴーレムは倒れて休息します。
また貼り直せば再度起き上がり、また働いてくれます。
また、昨今のファンタジー小説の設定では、ゴーレムの身体のどこかにあるコアを破壊しないと、
再生し続けるといったものもあります。
そういったゴーレムの場合、強力な魔法等で消し炭にするか、地道にコアを見つけて破壊するしかありません。
最初のゴーレムは人間!?
聖書によると、
「主なる神は、土の塵で人を造り、生命の息を吹き入れられた。そこで人は生きたものとなった」
とあります。
つまり、神はまず土塊でゴーレムをつくり、そこに魂を込めることで人間(アダム)を造ったということになります。
同じく土から生まれた神話上の人物たち
アダムと同じ様に、世界中には同じ様に土塊から生まれた人物達が居ます。
・エンキドゥ
某有名ゲームで大人気な英雄王さんの相方さん。元は創造の女神アルルが泥をこねて造ったのがエンキドゥです。
・タロス
ギリシア神話の巨人タロスは、鍛冶の神ヘパイストスが造った青銅のゴーレムでした。
ファンタジー・ゲーム上のゴーレム
ファンタジー小説はゲーム上のゴーレムと言えば、
主に宝箱であったり、城か洞窟か何かを守護する役目であったりと
何かを守るといった内容で登場することが多く有りました。
ですが近年のファンタジー小説を見てみると、単純な召喚魔法で呼び出したり、創造魔法による一時的な戦力・労力として使われることが多いようです。
ゴーレムの材質も多々あり、唯の泥から岩、鉄からダイヤモンドや鉱石など、様々な種類が増えています。
一般的に硬さが高いほど強さも有るようですが、ダイヤモンドは熱に弱い。といったように、素材によって弱点も変化することが有るようです。
またゴーレム自身にも変化が見られるようになりました。
昨今の擬人化、美女化の影響か、ゴーレム自身も唯の石や泥の塊から、美男、美女として登場する機会が増えてきています。
そうなってくるともう、ホムンクルスとゴーレムの違いが曖昧な気もします。
まあ、人間がゴーレムから生まれたぐらいですから、美女なゴーレムが居ても不思議ではありません。
ゴーレムとは? ゴーレムの弱点&造り方! まとめ
ゴーレムを造るということは、人間を造り出した神を真似るという事で、神に対する反逆とも取られる行為です。
また命を造り、使役し、最後は破壊するという行為は、命を弄ぶ不遜な行為とも言えるでしょう。
ゴーレムを造り出した人物たちの末路は、決して良いものでは有りませんでした。
昨今のファンタジー小説では、ゴーレムといえばお手頃な戦力、労働力または、
前線泣かせの硬い魔物といった立ち位置が主流となっています。
ですがまだまだ、数多いる雑魚モンスターの1体といった評価は抜け出ていないゴーレム。
そもそもが、お宝をまもるガーディアン的な使われ方をしているゴーレムは、善戦しても、いずれ主人公に負ける運命とも言えます。
主人公の踏み台として使われるゴーレムが哀れでは有りますが、その分ファンタジー小説には欠かせないモンスターとも言えるでしょう。