前の会社で社長と少し話をする機会が有りました。
ゲームとは全く関係の無い話をしていたのですが、
社長さんがポロっとこぼした言葉がありました。
「息子がゲームをやっていたが、今は本などを読み出した。それを見てると、今までやっていたゲームは一体何だったのか、唯の無駄でしか無かった」
それを聞いて、「イヤイヤ違うだろ!」
内心で何を言って居るんだこの人は。とツッコミを入れまくってした。
社長には社長の考えが有ったとは思うのですが、
私には元から社長はゲーム=無駄なものという意識があって、ゲームを本当に知ろうともせず、「ゲームだから」と言う理由だけで無駄だと断言したように思えました。
子供が本を読み出したのは、ただ子供の興味がゲームから本に移っただけの話です。
子供なんだから、興味が移るのは当たり前、一生ゲームをしている子供なんていません。
むしろ子供には沢山のことをさせるべきです。
子供にとって、やったこと全てが糧となります。決して無駄なことは一つも有りません。
ゲームだってその道のプロが本気になって作ったものです。
どんなゲームだって、遊んで得られないものなんて絶対に有りません。
私はゲームから沢山のことを学んできています。
その中でも特に私が勉強になったと思うゲームについて紹介したいと思います。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、早速見ていきましょう。
目次
私が本気で勉強になったゲーム集
シムシティシリーズ
言わずと知れた街発展ゲームシムシティ
私がやったのは、シムシティ4デラックスでした。
まずはじめに本当に何も無い平原や森、山、海、湖などの自然環境しか無い場所から、道を引き、住宅地を作り、電気、ガス、水道などを引いていきます。
しかも最初の資金は最低限の設備を造るだけでゼロに。
開始早々借金運営です。
それから毎月お金を返済する必要が出てくるので、まずは速攻税金を導入!
ですが税金を上げると勿論市民から反発が発生!
上げすぎると住民が逃げていくので、仕方なく街の公共事業の費用を削減すると、街がゴミだらけ、道路はボコボコになって渋滞が発生。
今度は市民から苦情が。
仕方がないので公人の人件費を落とすと、今度はストライキが発生して、警察・消防・病院・その他全ての公共で行なっている職業が止まります。
火事が起きても誰も火を消しません。犯罪も起き放題。まさにカオス!
その他にも、
交通渋滞や水質汚染、空気汚染やエネルギー問題にゴミ問題。
有りとあらゆる問題が発生し、街の政策で常に頭を抱えながらゲームをして行く必要が有ります。
とても面倒臭いゲームですが、自分の好きなように街を発展させていく。
それがとても面白いゲームでも有りました。
このシムシティでは
- 都市運営の難しさを多少なりとも知ることができる。
- 発電や水源確保、ゴミ問題など、実際に発生する問題と解決策の難しさについて知ることができる。
- どうやって街を発展させていけばいいのか、本気で考えて試す力がつく。
- 自分の住む街がどういった設備やインフラ、区域分けで作られているのか気になり、地元について知ろうと思うようになる。
このゲームは今まで全く興味・関心のなかった都市運営について、知る切っ掛けになります。
このゲームは子供だけでなく、大人にも本気で遊んで欲しいゲームだと思います。
面白い記事が有りました。こういう企画は面白いですね。
市長って本当にシムシティが上手いの? 千葉市長とガチンコ勝負してみた
信長の野望シリーズ
こちらも有名シリーズである「信長の野望」
私が初めてやったのは「信長の野望 天翔記」でした。
天翔記にはまってから、他のシリーズもやり続け、今は創造のパワーアップキッドを楽しんでいます。
ゲームは戦国時代。一大名となって、国を豊かにし、他国に戦をしかけて領土を拡大。全国統一を目指すゲームです。
ゲーム自体が沢山の歴史学者たちによって内容、登場人物たちが作られており、歴史的背景や、歴史的出来事などが、ゲームを遊ぶだけで自然とイベントとして発生し、戦国時代の勉強が出来てしまいます。
学校では教わらないたくさんの大名や武将の名前が沢山登場し、最新作の大志では2000人もの武将が登場します。
そして2000人武将一人一人に、どういった人物だったのかの説明まで書かれているのです。
それを読むだけで学校で学ぶ授業の何倍勉強になるか。
最終的にはゴリ押しで作業ゲームになってしまうものの、ゲーム自体の面白さも格別です。
「信長の野望」で勉強になったこと
- 戦国時代の大名、武士の名前・場所・勢力図が分かる。
- 戦国時代の出来事・時代の流れがわかる。
- 戦国時代が大好きになる。
- 武器・茶器・官位・などに詳しくなる。
- 戦国時代の武器、兵士について詳しくなる。
特に戦国時代が大好きになりました。
大河ドラマなどで知ってる名前の人物が出たりすると、どうしてもテンションが上ります。
EVEOnline
知っている方の方が少ないでしょう、こちらのゲーム
これはアイスランドのCCP社が作ったMMORPG(オンラインゲーム)です。
ゲーム内容は簡単に言えば、宇宙で宇宙船に乗って、自由に好きなことをする箱庭ゲームになります。
このゲームの面白さは、その圧倒的な自由度。
現実世界で出来ることは、ほとんどこのゲームの中で出来ると言ってもいいと思います。
まさに【ゲームの中にもう一つの現実が有る】と言って良いゲームです。
このゲームの特徴として、全ての行動は経済に繋がるという点が有ります。
現実でもそうであるように、プレイヤーはあらゆる手段で資金を集めていくことになります。
その方法は様々で、採掘や商業、製造、運送、比較的真面目なものや、カジノ・詐欺・密売、殺人、傭兵など、犯罪的な内容のものまで様々です。
これらは全て自身の資産を増やすため。
ありとあらゆる手を使って、(時には相手を害する手段を使ってでも)資産を得るために、日夜様々な場所で争っている。
時には数千人規模の大戦争が起こることも有りました。
そこまでの規模の戦争となると、両陣営ともが、まるで軍隊の様な指揮系統の中、各プレイヤーが着実に支持を守って遂行していく必要があります。
それには高度な組織力が必要になり、ゲームでは有りながら、EVEonlineには明確な組織が無数に存在していました。
現役の外交官がゲーム内で外交官をしていた。と言うのもこのゲームでは有名な話です。
ゲームをしてるのか、現実の延長なのか、奥が深く、面白く、そして殺伐としたゲームでした。
さて、このゲーム。
ゲーム外であらゆるツールが出ていて大変便利なのですが、ゲーム外のツールで最もプレイヤーが使うソフトが有ります。それは
エクセルです。
ゲームなのにエクセル?と思う人も多いかと思いますが、このゲームエクセルを使う機会がもの凄く多い。
それは船につける装備の比較の為であったり、商品を買い付けて売る場合の利益の計算だったり、APIを使っての全自動での買い取り計算だったりと多岐に渡ります。
例えばこちら
とあるアイテムの相場ですが、見ての通り値段や取引量など、相場が常に上下します。
そしてこれは全てのマップの店が独立した値動きを行います。
つまり、安い場所で買って、高い場所で売る。といった交易が出来ます。
勿論買ったアイテムを盗もうとするプレイヤーも居たりするのですが、それは置いておいて。
交易の為の仕入れ値、税金、運送にかかる時間、売値などの計算にエクセルをよく使います。
あとは必要な資源を造るための制作ツリーをつくったり、ゲームを起動しながら常にエクセルも起動させておく。
正直ゲームしてるのか仕事してるのか分からなくなります(笑)
そんなゲームでしたが、そんな事が出来たのはこのEVEonlineが完成された自由度が有ったからでしょう。
プレイヤーが自由に遊びを考えられる素晴らしいゲームです。
EVEonlineから学んだこと
- エクセルの使い方
- 自分で考えて遊ぶという考える力
- 仲間を率いるというリーダーシップ
- ビジネスメールの書き方
- Webサイト作成知識
- 他人とのコミュニケーション方法
- 根気
- 組織作り・運用の難しさ
ゲームと言うよりも、社会人として必要な知識を得られたゲームでした。
アサシンクリード
アサシンクリードといえば、アサシン(暗殺者)となって、世界の支配を目論むテンプル騎士団と戦うゲームです。
ゲーム内容はターゲットを暗殺していく内容なのですが、ゲーム内容よりも、街並みの再現度がとても良く出来ています。
また、登場人物たちも実際に生きていた人間達であり、歴史についてかなり研究されています。
ゲーム内で彼らの実際の話や歴史を、ゲームを遊ぶことで、その時代に本当に入って歴史を体験しているような。そんな気にさせてくれます。
アサシンクリードから学んだこと
- 時代背景を知ってヨーロッパの歴史に興味を持つようになった。
- ヨーロッパ(ルネッサンス期のイタリアなど)の街並みや風景、建物などを知った。
- 街並みや市民を見ることで、どういった職業が有ったのか、どういった人物が居たのかなどが知ることが出来た。
勿論ゲーム自体はフィクションなので、全てが全て真実では有りませんが、ゲームを通じて別の世界への興味を持つことが出来るのは、とても良いことだと思います。
かまいたちの夜
こちらも有名なサウンドノベルゲームです。
こちらは文章を読んで行くタイプのゲームで、ジャンルはホラーになります。
昔から本を読むのが好きだった私は、初めてサウンドノベルといったものに触れたのがこのゲームでした。
文字と音楽、シルエットしかない登場人物だけで進んで行く物語なのですが、それが逆に恐怖を増しているのです。
序盤はなんでもない唯の日常なのに、一人人が死んでから加速度的に物語が進んでいきます。そして私はあっという間にこのゲームに引き込まれました。
因みに、初めてやった時は選択肢のミスでヒロイン以外全滅エンドでした。
なんとかクリアしたと思ったら、また初めから物語が始まります。ですが、序盤の展開が少しだけ違うんですね。
そこを不思議に思っていると、その乖離はどんどん大きくなって行って、気がつくと前の密室推理シナリオとは全く別のシナリオになる。
サウンドノベルってすげええ!
本気で思いました。
サウンドノベルというものを知って以降、私は小説を書くようになりました。
書くのも読むのも好きで、専門学校の卒業時の卒業課題もサウンドノベルを作ったぐらいです。
今は小説は書いていませんが、文章を書くというのは今このブログを書いているように、確実に自分の身になっています。
そのキッカケになったのは、間違いなく「かまいたちの夜」を遊んだからです。
かまいたちの夜から学んだこと
- 小説は、展開によっていかようにも世界を作ることが出来る
- 文章を書く面白さを知った
- 文章を書く辛さを知った
- 文章で多少なりともお金が貰えるようになった
メダルオブオナー
メダルオブオナーはいわゆる戦争を舞台にしたFPSゲームです。
戦争が舞台と言う事で、忌避感を感じる人は多いかと思います。
多分うちの親も、こんなゲームをしているところを見せたら嫌がるでしょう。
ですがこのゲームは、私自身が第二次世界大戦について知ろうと思うキッカケになったゲームでも有ります。
このゲーム「メダルオブオナー 史上最大の作戦」は
第二次世界大戦、ドイツへの反攻作戦としてアメリカ軍主導でノルマンディに上陸作戦を決行した、いわゆるDdayからゲームが開始となります。
ゲームは精巧につくられており、実際のアメリカ軍のように敵の銃撃を避けながら突撃し、柵を破壊し、敵の塹壕を制圧しながら進んでいきます。
もちろん敵はドイツ兵です。つまりゲームの中とはいえ、人間を殺して進んで行くゲームです。
忌避感が有る人が居るのは当たり前と言えるでしょう。
そうしてゲームを進めていき、ドイツ占領下だった街や国を解放していき、最後はドイツを制圧すればゲームクリアです。
はっきり言って、遊んでいた当時はただ出てくる敵を倒して行くゲームで、相手がどうとか全く考えていませんでした。
ですが実際にあった戦争を忠実に再現したゲームをすることにより、私は第二次世界大戦。
特にヨーロッパ戦線で、こんな戦争が有った。と言うことを知りました。
そして知ると言うことは、全ての始まりでも有ります。
第二次世界大戦を舞台にしたゲーム、映画、本、漫画などは世の中に沢山有ります。
私はゲームでヨーロッパ戦線について知りました。そして他の本、映画、ゲームなどの媒体をさらに触れて行くことで、戦争の悲惨さ、残酷さを知って行きました。
戦争の悲惨さ、戦争の現実、そう言ったものを知るきっかけとして、私の場合はメダルオブオナーが有りました。
メダルオブオナーから学んだこと
- ヨーロッパ戦線を知ろうと思う切っ掛けとなった
- 知って行く中で、戦争の悲惨さや辛さを知るようになった
- 当時の情勢などについて多少詳しくなった
勉強になったゲームまとめ
ゲームだから、人を殺すゲームだからと言って、何もかもを禁止するのは私は違うと思います。
禁止すると言うことは、そのものから学ぶ事ができなくなる。と言う事です。
ゲームは知識を与えるにはもってこいの媒体です。
ゲームは時にプレイヤーに考える試練を与え、
時に主人公と感情をシンクロさせて感動や悲しみを共有し、
時に知らなかった知識を与えてくれます。
もちろん行き過ぎは体にも心にも毒です。ですがそれは何に対しても言えるでしょう。
運動のしすぎは体を壊します。
勉強をしすぎて体調を崩したり、鬱になったりする子もいます。
仕事だってやり過ぎて鬱で体を壊す人も多いでしょう。
それはゲームだって同じです。
ゲームだから悪いのではなく、なんでもやり過ぎるのが問題なのです。
やり過ぎる点については、親がしっかりと子供を止めてあげる。
もう親に頼るような歳でない人は、しっかりと自制する。
そうすれば、ゲームは生き抜きとして、また新しい知識を得る場所としてもとても優秀です。
なんども言いますが、ゲームは決して無駄なものでは有りません。
むしろその業界のプロが集まって何年もかけて作った、宝の山です。
だめだ、無駄だと一蹴しないで、ダメなら何故だめなのか、本当にゲームから得られないモノは無いのか。ゲーム反対の人には一度考えていただきたいと思います。