ファンタジー

【クジラの子らは砂上に歌う】の感想 こんな漫画がまだ有ったのか! 

アニメ化するということで気になって買ってみましたが、正直びっくりしました。
こんな独特の世界観を持つ漫画がまだ有ったのか。久しぶりに本当に面白い漫画と出会えた!

と思えた漫画です。

どことなくですが風の谷のナウシカに似たような雰囲気が有る気がします。

今日はその中で冒頭でもある1巻と、ネタバレにならない程度の世界観説明をしたいと思います。

 

 

 

 

あらすじ

砂がすべてを覆い尽くす世界。砂の海に浮かぶ巨大な漂泊船泥クジラで暮らす人々の多くは、感情を発動源とする超能力情念動(サイミア)を操るも短命だった。

「外界から閉ざされた泥クジラで短い一生を終える」

その運命を受け入れる少年チャクロは、ある日突然漂着した廃墟船の中で1人の少女と出会う。

少女リコスは外界から閉ざされた泥クジラに住む人々にとって初めて見る外の世界の人間だった。

外から来たリコスに泥クジラの住民は混乱するが、少女は泥クジラの最高決定機関である長老会に呼び出されることに。

リコスの身を案じたチャクロは、一人長老会の元へと向かう。だがそこで語られていた内容は、チャクロの理解を超えた話であった。

少しづつリコスと泥クジラの人々との仲が接近してきた頃、リコスはスオウに告白する。

「あなた達を、皇帝陛下直属の兵が滅ぼしに来る」

リコスがスオウに告白していた丁度その時、泥クジラの前に1隻の巨大な軍艦が出現したのだった。

 

登場人物

主人公:チャクロ

 

チャクロは泥クジラの記録係をしています。記録係と言うのは、その名の通り泥クジラで起きたことなどを書いてゆく所謂歴史の記録者なわけです。

シルシで、サイミアの制御が下手すぎて皆からはデストロイヤーとも呼ばれています。

 

謎の少女:リコス

 

泥クジラの前に現れた島に、たった一人で生きていた少女。

初めて会ったチャクロに対して攻撃を仕掛けてくる。褐色肌で表情に乏しい。

 

体内モグラのボス:オウニ

 

サイミアの能力は泥クジラで一番と言われている。泥クジラの外の世界に行きたいと思っている。泥クジラの悪ガキのリーダー的存在。

 

次期首長:スオウ

 

無印であり、泥クジラの次期首長。美形で女子にモテる。どことなく気弱そうで、実際気弱だが、泥クジラの為に必死になるところも。

 

世界観

この世界は砂の海に覆われ、文明が滅んでしまったかのような荒廃した世界。

そんな世界の中、人々は大きな船に乗ってそこで生活しているのです。その船の形がクジラに似ていることから、主人公たちの乗る漂泊船『泥クジラ』と呼ばれています。

タイトルのクジラはココから来たんでしょうね。

このクジラは砂の海をどこへ行くとも知らず漂流しているのです。

船に住む人々の人口は513人。船の中には居住区や様々な施設があり、1つの都市となっています。

泥クジラに住む人々は2種類に分けられます。

『印』(シルシ)と呼ばれる人と『無印』(ムイン)と呼ばれる人。泥クジラの約9割が印であり、彼らは情念動(サイミア)と呼ばれる一種の超能力のような力を使うことが出来るのです。ただし、寿命は短く30歳程度で死んでしまいます。

逆に無印はサイミアは使えないが、代わりにシルシよりも長寿であり、泥クジラのリーダーとして行きていくことになります。

ムインの人たちは非力な分、都市の運営を、シルシの人たちは狩りや労働力としてうまく機能して都市で生活しているようです。

 

魅力

ファンタジー世界を余すとこなく描き上げる圧倒的な画力と、ページ一枚一枚から伝わる荒廃した世界観。魅力あふれるキャラクター達、そして読めばあっという間に引き込まれる濃密なストーリー。

特に後半からの展開は一気に読者を引き込みます。

生きることが難しい世界。寿命も30年程度でしかない人達にとって、生きている毎日が貴重で大切なものなのです。

そんな中、彼らは生きるために戦わなくてはならない展開へと追いやられます。

今まで戦うことを禁じられていた泥クジラの人々。しかし生き残る為には戦うしか有りません。

戦える人間も殆どが10代~20代、場合によってはそれ以下の子供ですら戦うことを強いられていきます。

そんな中でも、必死に生きようとする美しさ。登場人物一人一人の必死に生きる理由。

次々と襲いかかる困難にも諦めず、負けずに立ち向かって行く姿は美しさすら感じます。

 

 

Amazonのレビュー

Amazonレビュー平均は4.4でした(8/15日現在)

やはり画力とシナリオを褒めるコメントが大半でした。

また雰囲気が風の谷のナウシカに似ていると思った方もいらっしゃったようです。

後半からの急展開が受け付けなかった人も何人かいらっしゃいました。

Amazonの他のレビューを見たい方はこちら

 

まとめ

正直素晴らしいとしか言いようのない漫画です。

男女問わず、どなたでもオススメ出来る漫画です。

ただし、比較的ダークなお話ですので、そういったのもが苦手な人にはオススメしません。

私個人としては、よく考え込まれて作られた物語だと感じました。

また、淡いタッチでありながらも濃い世界観を表現している技量。また神秘的な雰囲気を描くのがとても上手な作者さんです。

是非一度読んでみて下さい。オススメです。

 

 

 

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